「THE FIRST SLAM DUNK」湘北メンバー5人のキャストが初集結、最後は全員で「勝ーつ」
2022年12月3日に公開され、5月6日の時点で国内興行収入は138億8800万円、動員数は996万人を突破し、中国での上映もスタートしている「THE FIRST SLAM DUNK」。「COURT SIDE in THEATER」と題した上映会には、宮城リョータ役の
会場にいる観客から質問を募るコーナーが展開されると、とある男性から「毎回鳥肌が立つ場面があるんですが、演者の皆さんの一番好きなシーンを教えてください」という質問が飛び出す。仲村は「リョータって心臓バクバクでも目いっぱい平気な振りをする、強がるシーンが多々出てくるんですけど、最後に砂浜でお母さんと対面するとき、ポケットに手を入れるんですよ。ビビってるときに、そうやる癖があるんだと思うんですけど、お母さんの近くに座るときには、ポケットから手を外すんです。お母さんから『どうだった? 相手は』って聞かれたときも、『強かった』って言った後に『怖かった』って答えるんですけど、『怖かった』って今までのリョータだったら言わなかったと思うんですね。やっとリョータが家族と向き合えた瞬間だったのかなって。宮城家の成長物語でもある感じがして、最後の砂浜のシーンはめちゃくちゃグッとくるし、好きなんですよね」と返す。神尾は「オープニングで、山王工業が階段の上から降りてくるというのがバチバチでしたね。初めて観たときにあそこで泣いてしまって。“イチ泣き”ですよね」と明かすと、三宅も「赤木も背が高いけど、それ以上の壁の圧を感じながらお芝居をしていて、本当に怖くなっちゃって」と頷く。
続いて映画がきっかけで「SLAM DUNK」にドハマりしたという男性からの「映画に出会って一番印象的だったことはなんですか?」という質問に。笠間は「井上監督に出会えたことだと思うんですよ。昔から井上監督のマンガ作品が大好きなんですけど、そういう自分が熱狂していたもので、しかもやっぱりマンガ家さんってあまり表に出られる機会がないじゃないですか。あの作品を生み出してらっしゃる方が今目の前にいる。しかもすごくフランクに接してくださるんですよ」と話し、木村は「僕は収録が終わった後、井上監督から『とても楽しかったです』と言っていただけたのが印象的でしたね。とにかく2年間かけてアフレコをしたんですけど、その間一度撮り終わったところも、『こうすればもっとよくなるんじゃないか』ってテイクを重ねたこともありますし。最後に監督がそう言ってくださって、声優冥利に尽きますし、それが励みになって今日まで来られたなって」と振り返った。
ここで、山王工業のメンバー・河田雅史役の
笠間もアフレコでのエピソードに触れ、「(山王のキャストについては)どなたが演じるのか、ほとんど情報がないまま現場に行っていたのもあって、強敵としてそこに立ちふさがるという感覚がしたというか、エースの沢北をこんな風に演じられる人がいるんだって。声だけでは気付けなかったんですよ。(ブースから)出てきたときに「え!」って驚いて。それも込みで沢北ですかね」と語った。木村は「僕も沢北でして。すごく感情移入してしまうというか。神社のシーンでの回答が“負けること”だったのかとか、敵ながら考えさせられる。がんばった姿にも最後は胸を打たれるんですよね。そういう意味で気になるキャラです」と答えた。
さらにTwitterで事前に募集した質問にも回答。「アフレコをする際に難しかったシーン」について聞かれると、木村は「何もかもが、これまでの声優人生で培ってきたものとは違ったんですよ。とにかく監督がリアリティを追求していて、どれだけリアルな芝居ができるかというところが課題でしたし、『返せ』というひと言は、ボールを取るときにどれだけリアルな息づかいを持った高校生として言えるか追求したので、記憶に残っています。あのシーンに近付くと心臓がバクバクするんですよ」としみじみ返す。笠間は「僕は、撮り直しが全然なくて。これを出すのが僕の仕事だと思ったのは、バスケ経験者というのもありますけど、バスケ独特の静と動の切り替え。すごく疲れているのに、急に動いて走り出さなきゃいけないじゃないですか。バスケットの作品、『SLAM DUNK』で声を当てるってなったときに重要視しましたし、辛かった練習を思い出して、そのままやりました。そうしたら『もうそれで』って言っていただけました」と続けた。
仲村は「『だぴょん』とかも、2、30回撮ったんじゃないかな。やっぱりお芝居をしようとするんじゃなくて、キャラクターの気持ちに寄り添って言葉を出すことによって、言葉を立たせようとしなくても、結果立ってしまうんだなということに気付いたんですよ。それが僕の中では、声優としてもステージが上がった瞬間でした」と発言。神尾は「ナチュラルに(演じようと)するんですけど、僕ダンク(をキメた)の経験がないので、ダンクのときの『フッ』っていう息がわからないんですよね。いろんな試合を観て、自分の中で補完してなんとか持っていくんですけど、『フッ』っていう息だけ、それこそ30回くらいチャレンジさせていただいた記憶があります」と、苦労話を語る。
三宅は「ぶち壊しにならなきゃいいな」と前置きしながら、「(端の木村を見つつ)この中の誰かが、私のおしりに『びゅん』ってやったんですよ。『こんなときに何を!』って言って、(頭を)『ボン』って叩くんですけど、これを毎回収録したんですよ。最初のときは緊張感を崩す感じで『んっ!』ってやったり、次の収録のときは抑えめに『んっ!』ってやったりしていたんですけど、あんまり面白くしすぎてもそれはそれで茶化すことになるし、なんかうまくいかなくて。『緊張』と『緩和』の『緩和』の部分ですかね」と返答。木村が同じシーンについて、「僕はあれは一発撮りでしたね。すぐにイメージが湧きました」とすかさず戻すと、三宅は「俺は何回おしりをやられたと思ってるんだ!」と言い、会場の笑いを誘った。
さらにエンディング主題歌を担当した10-FEETより、このイベントのために「第ゼロ感」を演奏した特別映像が届けられた。最後の挨拶で三宅は「赤木の言葉を借りて、皆さんに言いたいです。『ありがとうよ』」と赤木のキャラクターボイスを披露。木村は10-FEETの「第ゼロ感」について、「みんなもそうだと思うんですけど、この曲を聴くとものすごく興奮させられるんですよ。自分の人生のテーマソングぐらいはたくさん聴いてきましたし、もう一度この物語に触れたくなったので、数日の間にもう1回観に行こうと思います」と述べた。神尾は「ずっと緊張が続いていた状態から、公開して、今日で156日目となりました。まだ156日目は途中だと思っているので、これからも『SLAM DUNK』をお願いします」とコメント。笠間は「井上監督の『SLAM DUNK』という作品をいかに彩っていくかということに終始した制作期間だったなと思います。これだけ皆さんに受け入れていただけたのも、1つひとつのピースが死ぬ気ですごい熱量をかけて作ってきたゆえのこと。この熱と魂というのはこれからも作品とともにい続けますので、どうぞこれから先もたくさん観ていただければ」と思いを伝える。
仲村は「宮城リョータを演じられて本当に幸せ者ですし、今日やっと舞台挨拶に湘北メンバーで立つことができてうれしかったです。次回は山王メンバーでもこういう日が来ることを夢見て、僕もまた映画を観て期待感を高めていきたいと思います」とファンへメッセージを贈った。この後キャスト陣はステージ中央で円陣を組み、仲村の「1、2、3」のカウントのあと、全員で「勝ーつ」と声を合わせ、イベントは締めくくられた。