ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集(福音館創作童話シリーズ)
作品概要
きみはいつものように、あけっぱなしの玄関から、どんどんぼくの部屋にあがりこんできた。
ランドセルをおろして、きみはいった。
「ねえねえ」「なんだあ」「せんせいが、おまえは本を読めっていうんだ。
ことばがなってないから」。
ぼくは立ち上がってとなりの部屋に行き、本だなから一冊の詩集をとってきた。
そして、ページをひらいて、きみに手渡す。
「ここんとこ、読んでみな」。
詩はむずかしい。
詩は意味がよくわからない。
だから、詩はおもしろくない。
確かに詩はむずかしくて、よくわからないものかもしれない。
でも、詩はおもしろくて、ほんとうにたのしくて、そして自由だ。
詩は、ことばを自由にし、ことばによって縛られ、不自由になっているわたしたちに、ことばは、わたしたちを縛るのではなくて、わたしたちは、ことばによって自由になれるのだと教えてくれる。
20篇の詩を通して、詩人斉藤倫と楽しみ、そして考える、詩のことそしてことばのこと。
作品レビュー(関連商品を含む)
この作品にはまだレビューがありません。 今後読まれる方のために感想を共有してもらえませんか?
1,320 円税込