いのちの木
作品概要
……森にすむひとりひとりにとって、キツネは特別でした。
やがてキツネは旅立ち、みんなにとっての特別な存在になったのです。
いてくれたら あったかい。
いなくなっても あったかい。
キツネはここにいます。
ずっと。
大好きな場所で、キツネは旅立っていきました。
キツネを愛していた森の仲間は、哀しみにくれます。
やがてキツネとのあたたかい時間を、みんなでもちよるうち、
ただ痛いだけだった哀しみは、変化していきました。
そしてキツネが横たわっていた場所から、
キツネと同じ色の芽が出てきました。
みんなのキツネへの気持ちが、
水となっておひさまの光となって……、
やがて大きな大きな木になりました。
そして、また、ひとりひとりにとっての特別な存在へと……。
誰しも、愛する人との別れを、少なからず経験していくものですね。
たいせつな存在が、それまでとかたちを変え、
目の前からすっかり消えてしまったように感じたとき、
それは、どれだけ心に深くおもりをもたらすかしれません。
それはどうしたって避けがたいことだけれど、
その人のことを感じたとき、想ったとき、語ったとき、
その人は、もう、すぐそばにいるのかもしれません。
命のあたたかみが、まっすぐに伝わってくるイギリスの絵本作品を、
(作家はドイツの方です)
森山京が、これ以上にない美しい日本語で語ります。
美しい木に逢いにきてください。
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1,540 円税込