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何もなかった、あたしの頂上には何もなかった――。 1979年、28歳で芸能界を去る決意をした歌姫・藤圭子に、沢木耕太郎がインタヴューを試みた。 なぜ歌を捨てるのか。 歌をやめて、どこへ向かおうというのか。 近づいては離れ、離れては近づく二つの肉声。 火の酒のように澄み、烈しく美しい魂は何を語ったのか。 聞き手と語り手の「会話」だけで紡がれた、異形のノンフィクション。
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