[文庫]通天閣
作品概要
「夢に向かって頑張っていないと駄目なのか、何かを作っていないと駄目なのか。
自転車でバイト先に向かい、阿呆の相手をして、マメのことだけを思って眠る生活をしている私は、駄目なのか。『きらきらと輝いて』いないのか。」
冬の大阪ミナミの町が舞台を舞台に、このしょーもない世の中に、救いようのない人生に、ちょっぴり暖かい灯を点す驚きと感動の物語。織田作之助賞受賞作。解説=津村記久子
「誰も彼もが、とにかくその一日一日をやり過ごすので手一杯である。夢を見ている時間はない。
その有様が、克明に描かれれば描かれるほど笑ってしまい、同時に、世界の核心に触れたような気持ちになる。
それらのどちらか、ではなく、どちらも、を達成しているところに、『通天閣』の稀有さがあると思う。」
津村記久子「解説『通天閣』の魔法」より
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638 円税込