私たちにできたこと 難民になったベトナムの少女とその家族の物語 (1巻 全巻)
作品概要
第25回 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞受賞!!
親を愛することは、こんなにも簡単なのに
どうしてこれほどまでに難しいのだろう?
ボートピープルとしてアメリカで育った少女ティー・ブイ。
母になった彼女は、両親との溝を埋めるため、祖国ベトナムと再び出会う。
それは、両親の苦悩や痛みと向き合うことでもあった……
「分断」の時代に生きる私たちを照らすノンフィクション・グラフィックノベル。
ビル・ゲイツが年間ベスト・ブックに選出
アメリカン・ブック・アワード受賞
ベトナム系アメリカ人であるティー・ブイは、母になった。
アメリカで新しく家族を築いていくこと、そして子供を育てるという不安の中で、彼女は心が離れてしまった両親と向き合う決意を固める。
フランス、日本、アメリカ……さまざまな国に占領され、貧困と混乱が続いたベトナムを生き抜いてきた両親とその家族。
「自分たちの人生を歩んでいきたい」という思いから難民になることを選んだ両親は、新天地アメリカで差別や思い通りにならない現実を前にしながらも、子供たちのために自分たちができる精一杯のことを行なっていく。
歴史に翻弄された両親の歩みにふれることで、ティー・ブイの中に変化が生まれていく……。
作者のティー・ブイが、2002年に制作した自身の家族のオーラル・ヒストリーが出発点となった本作は、5世代にわたるベトナム人家族の歩みを描いたノンフィクション・グラフィックノベルである。
第二次世界大戦や第一次インドシナ戦争、ベトナム戦争といった大きな歴史の中で、難民になりながらも必死に生き抜こうとする小さな家族の姿を、独特な絵や色彩、個性的なコマ割り、練られたモノローグによって描き出している。
ティー・ブイはデビュー作となる本作によって、アメリカン・ブック・アワードを受賞。
ほかに全米批評家協会賞やアイズナー賞にノミネートされるなど高く評価された。
過酷な歴史に翻弄される個人を描いたノンフィクションである本作。
『マウス――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語』や『ペルセポリス』といった優れた自伝的作品と同様、個人的だからこそ普遍的な物語が紡がれている。
なお、日本版には神田外語大学アジア言語学科ベトナム語専攻の教授を務める岩井美佐紀の解説小冊子付き。
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