藤子・F・不二雄「異色短編集」 (1-4巻 全巻)
作品概要
藤子・F・不二雄の、ちょっと変わった味わいの作品を集めた異色短編集。SF的手法と鋭い風刺精神を存分に発揮し、大胆かつ繊細な構成で不可思議世界を描き出す。「藤子美学の世界」に、どっぷりと浸かれる作品集!
藤子・F・不二雄〈異色短編集〉1
▼第1話/オヤジ・ロック▼第2話/じじぬき▼第3話/自分会議▼第4話/間引き▼第5話/3万3千平米▼第6話/劇画・オバQ▼第7話/ドジ田ドジ郎の幸運▼第8話/T・Mは絶対に▼第9話/ミノタウロスの皿▼第10話/一千年後の再会▼第11話/ヒョンヒョロ▼第12話/わが子・スーパーマン▼第13話/コロリころげた木の根っ子▼エッセイ・北村想●登場人物/オレ(故障した宇宙船の乗組員。地球型の惑星に不時着する)。ミノア(“本年度ミノタウロスの皿”の栄誉に輝く少女)。(第9話)●あらすじ/同居する息子夫婦と孫から、あからさまに邪険に扱われ、家での居場所もない老人の穴黒厳三は、そんな家族へのあてつけに雨の中、釣りに出かけてそのまま死んでしまう。やってきた天国で、亡き妻と再会した厳三だったが、「下界テレビ」で自分の通夜を見ているうちに家族のことが恋しくなり……(第2話)。▼乗っていた惑星間航行ロケットが故障し、生き残ったのはオレ1人。水、食料ともに底をついたが、救助艇がくるのは23日後だという。やっとの思いで不時着した地球型の惑星。そこには低い段階ながらも文明があり、ミノアというかわい子ちゃんとも出会うことができた。ところが、その文明というのが実は……(第9話)。▼遅筆で知られる小説家・大和のもとへ、原稿の催促にやってきた新米編集者の西村。外で偶然に出会った2人だったが、大和の家に着くなり、大和は妻を殴り飛ばした! 実は、大和は編集者の間でもうわさの家庭内暴君だったのだ。そして大和の妻は何もいわずに、それに耐えているのだったが……(第13話)。
藤子・F・不二雄〈異色短編集〉2
▼第1話/ミラクルマン▼第2話/大予言▼第3話/老雄大いに語る▼第4話/光陰▼第5話/幸運児▼第6話/やすらぎの館▼第7話/定年退食▼第8話/サンプルAとB▼第9話/休日のガンマン▼第10話/分岐点▼第11話/換身▼第12話/気楽に殺ろうよ▼第13話/ウルトラ・スーパー・デラックスマン●登場人物/男(やり手の会社社長。毎日の激務の中で胃を壊し、ガンではないかと疑っている)。医師(男の友人。男の疲労ぶりを見かねてアドバイスする)。(第6話)句楽兼人(日星商事のサラリーマン。その正体は「正義」の味方、ウルトラ・スーパー・デラックスマン)。片山(日星商事のエリートサラリーマン。句楽の古い友人)。(第13話)●あらすじ/▼会社ではやり手の社長として、頼りない専務の息子にいらだちつつ乗っ取りの陰謀と戦い、家では学生運動で留置所から帰ってきた息子を叱りとばし、愛人宅では大金をせびられる。男の神経は極度に張りつめて、疲れ切っていた。相談を受けた医師である友人は、男に一度「やすらぎの館」へ行ってみることを勧める……(第6話)。▼みどりとの挙式を来週に控えた平凡なサラリーマン・海野五郎は、ある日、2人組のヤクザに連れ去られてしまう。拉致された五郎は不思議な薬によって、新しい人生を送りたがっていた暴力団組長と身体を交換されてしまう。組長は五郎の身体のまま、みどりとのデートに出かける。一方、暴力団組長と身体を交換された五郎の方は……(第11話)。▼世の中にあふれているドス黒い悪に憤りつつも、成す術もなかった平凡なサラリーマン・句楽兼人は、ある朝、突然手に入れた超能力で「正義の味方」ウルトラ・スーパー・デラックスマンに変身した! 暴走族から政財界の黒幕、公害企業まで、ありあまる「悪」に鉄拳を浴びせ続けた彼だが、いつの間にやら周りの反応は……(第13話)。
藤子・F・不二雄〈異色短編集〉3
▼第1話/箱舟はいっぱい▼第2話/権敷無妾付き▼第3話/イヤなイヤなイヤな奴▼第4話/どことなくなんとなく▼第5話/カンビュセスの籤(くじ)▼第6話/俺と俺と俺▼第7話/ノスタル爺(じい)▼第8話/タイムマシンを作ろう▼第9話/タイムカメラ▼第10話/あのバカは荒野をめざす▼第11話/ミニチュア製造カメラ▼第12話/クレオパトラだぞ●登場人物/浦島太吉(浦島家の跡取り息子。学徒出陣で出征する)。里子(太吉の幼い頃からの許嫁。太吉の出征直前に式を挙げる)。気ぶり爺(浦島家の土蔵に閉じこめられていた老人)。(第7話)●あらすじ/恒星間航行が実用化された遠い未来、新たな事態が問題になっていた。閉ざされた空間で長い間、顔をつき合わせて暮らす長距離宇宙船内では乗組員が異常な精神状態になるのは避けられず、仲間割れ、暴動、反乱といった悲劇が起こるようになっていた。そこに目を付けた宇宙時代の新ビジネスとは……(第3話)。▼終戦を知らぬまま孤島のジャングルに隠れ住んでいた男が、30年ぶりに故郷に帰ってきた。しかし、村はダムの底に沈み、妻もすでに死んでしまっていた。思い出の木の下で回想にふけるうちに、男はある予感にかられて走り出す! そして彼が踏み込んだのは、失われたはずの30年前の世界だった!(第7話)。人類の永遠の夢・タイムマシン。これを使えば21世紀の未来だろうが、恐竜の住む白亜紀だろうが思いのまま!……どこにでもいる中学生・松井少年に、ある日、見知らぬ男が声をかけてきた。なんとタイムマシンを製造できるというのだ。理論が発見されていないだけで、現在の技術でも製造が可能だと男はいうのだが……(第8話)。
藤子・F・不二雄〈異色短編集〉4
▼第1話/値ぶみカメラ▼第2話/女には売るものがある▼第3話/同録スチール▼第4話/並平家の一日▼第5話/夢カメラ▼第6話/親子とりかえばや▼第7話/懐古の客▼第8話/パラレル同窓会▼第9話/コラージュ・カメラ▼第10話/かわい子くん▼第11話/丑の刻禍冥羅▼第12話/ある日……▼第13話/四海鏡▼第14話/鉄人をひろったよ●登場人物/男(会社では係長の真面目人間。ひょんなことから夢カメラを手に入れる)。妻(男の妻。最近は夫婦の間は倦怠期)。OL(男の勤め先の部下。男に相談に乗ってもらっている)。(第5話)▼男(平凡な会社員。子供たちも家を出て妻と2人暮らし)。女(男の妻。わりと心配性)。鉄人(旧帝国陸軍が極秘裏に開発した巨大ロボット)。(第14話)●あらすじ/▼目を覚ませばパッと記憶から消えてしまう、はかない夢。頭に残っているのは楽しい気分や恐怖感だけで、内容を思い出せないのがなんともくやしい!……平凡なサラリーマンの家に夜中、突然に現れたカメラのセールスマン。彼が売りにきたのは、なんと人が見ている夢を写すことができるカメラだった……(第5話)。いつの時代でも、いちばん近くにいながらもなかなか分かり合えない親と子。そんな親と子の魂が入れ替わってしまったら……相良甚六は浪人生ながらも、恋人の春子に夢中。父親はそんな息子を心配して説教するのだが、甚六は受験をあきらめて春子と同棲したいとまで言い出す……(第6話)。▼もしも、テレビのアニメで子供たちに大気の鉄人を拾ってしまったら……川べりを車で走っていた男は、道に倒れていた謎の男から発信器らしきものを託される。何気なくボタンを押してみると、轟音とともに彼方から巨大ロボットが飛んでくるではないか! 困った男は鉄人をその場に残して帰ろうとするが、なんと鉄人は男の家まで付いてきてしまう……(第14話)。
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