――脇役陣も個性派揃いですが、自分に一番近いと思うキャラクターは誰ですか?
小山:誰というわけではなく、みんな自分の一部っていう感じがします。やっさん(古谷やすし)は同じ京都出身というのもあって描きやすかったです。 僕も、たまにやっさんみたいに正直者なところがあって……言わんでいいことを言っちゃったりとか。
佐渡島:「たまに」っていうのがまた、それも正直ですね(笑)
――全キャラクターの中で好きなのは誰ですか?
小山:主人公のムッタ、それとやっさんのようなキャラが好きです。
僕も関西人なので、ボケとツッコミが成立する関係というのは、描いていてもやっぱり楽しい。
最近出てきた中ではデニール・ヤングというおじいさんが上手くいったなと感じています。三人とも「すごく変な人」というのが共通してますが、変なキャラは描きやすいんです。
――おじいさんといえば、ムッタのよき理解者・オジー氏は「オジーさん」という語呂合わせで命名を?
小山:はい。ちなみに彼の奥さんは「オバー」という設定なんですよ。まだ作中に名前は出ていませんが、ちゃんと編集者に見せる下書きでは「オジー、オバー」って書いてます。
――実在の人物をモデルにしたキャラクターはいますか?
小山:第一話でムッタに頭突きを食らった上司(間寺)の名前はサッカー選手のマテラッツィ。
あと茄子田理事長は、JAXA前身のひとつ「NASDA」から取りました。
あの理事長は名前と別に、取材させていただいた向井万起男さんをモデルに描かせてもらったんです。
勝手にキャラにして登場させたんですけど、ご覧になったご本人は結構喜んでくださったみたいです。
佐渡島:モーニング編集部に、向井さんから直接お電話いただきました。「悪く描いてもいいですよ」とも言ってくれて(笑)。
――ヒロイン的な立場のせりかは、誰か特定のモデルがいますか?
小山:特にモデルはいないんですけど、まあ僕が好きなタイプの女性です。かわいいと美人の間くらいが好きなんです。
佐渡島:そうだったんだ。
小山:あと、自分がもっている性格の一部分を追加したりしながら、とにかく想像だけで女性キャラを描かないように心がけています。 全部想像だけだと「男が描いた女性」になってしまいますから。今後もせりかの基本的な性格は変わりませんが、女性っぽいところとか、人としておもしろい部分を描いていきたいですね。
――せりかさんのキュートな"腹ペコ"はずっと残してほしいのですが。
小山:そこは変わりません(笑)。