どうしようもなく相手を好きになる前に、
何気ない相手の一言に傷つく前に、
それでも会いたいと焦がれる夜が来る前に。
一つだけ質問させてください。
学生時代の夢を叶え、
建築士として活躍していて
そして、
思いがけない再会に高鳴る胸と、
一歩引いた自分に気づく主人公・川奈。
全てを見透かしたような鮎川の言葉。
たとえ今が
描いた未来と違っていても
「強くならなきゃ」
真っ直ぐな川奈の想いが触れ、
彼女に必要とされることで
長い間張りつめてた糸が切れたような気がした
誰もが二人を愛し、誰もが反対する。
障害者との恋愛は
乗り越えることができなかったら
普通の恋愛より相手を傷つけるんだろうか。
周囲を巻き込み悲しませてまで、
一緒にいていいのだろうか。
勝手に幸せを決められてしまうんだろう。
作中では、人間の「本心」と「罪悪感」が繊細な画と相反するようにハッキリと描かれています。また、それに気づいたときの絶望は思わず自分に重ねて落ち込ませるほどの威力。
自分の動く足、愛する人、今いる環境を
何かと比べて計る幸せにはしないと、思いがけず決意が生まれる作品です。